“待つ”商売から、自ら“出向く”商売へ… 高齢化する顧客に合わせたサービスを提供

西村時計店
福岡県久留米市田主丸町田主丸256-4
■代表者: 西村 繁
■創業: 昭和5年1月1日
               
■補助金採択日: 平成29年3月17日
■TEL: 0943-72-2416
             
■支援内容: 小規模事業者持続化補助金

田主丸で90年続く、老舗の時計店。その品揃えにセンスが光る

昭和5年、田主丸中央商店街にて創業。腕時計が高級品だった頃より、田主丸の人々に憧れの腕時計を届けてきた。
店の奥に置かれた年代物のホールクロックが、西村時計店がこの地で刻んできた時の長さを思わせる。

40年ほど前から眼鏡の販売・修理も行うようになり、現在では補聴器の販売・調整・修理、宝飾品の販売なども手がけている。
眼鏡は低価格の外国産も一部並べてはいるものの、品質の良い鯖江の国産フレームが商品の7〜8割を占める。日本でも1、2社しか手がけていない18金フレームの眼鏡など、他店ではなかなかお目にかかれない商品も並ぶ。
また、宝飾品には1万円台の手頃なものから、贈り物にしたいハイグレードなものまで、幅広く揃っている。「揺れるダイヤモンド」のCMで有名になったcrossfor(クロスフォー)のネックレスなど、トレンドに敏感な品揃えにも注目だ。

知識と技術による“安心”を提供!すべてを任せられるプロの店

認定眼鏡士のいる店
店長を任されている3代目の栄樹さんは、公益社団法人「日本眼鏡技術者協会」が認定・教育する「認定眼鏡士(にんていがんきょうし)」の資格を有する。
眼は複雑な構造をしており、眼鏡作りには専門的な知識や経験が必要。とくに遠近両用レンズは少しでも変形すると見え方がまったく異なり、その調整も難しい。
「認定眼鏡士」は、眼科学から眼鏡工学といった学問的なことから、レンズやフレームの種類、品質、眼鏡のフィッティングや調整まで幅広く学ぶ、いわば眼鏡のスペシャリスト。
眼鏡について何でも相談できる、頼もしい存在だ。

アフターケアまで一括で対応
眼鏡のための視力検査・フレーム選び・レンズの装着をはじめ、補聴器のための聴力検査・音の調整まで、長年の経験によりすべてを専門店レベルで行うことができる。 もちろん使用後の調整や修理も可能で、販売からアフターケアまで、すべての工程をここで一手に引き受けている。

高品質の国産フレームを提供
現在、国産眼鏡フレームの9割以上は、福井県の鯖江で作られている。鯖江の眼鏡作りは100年以上の歴史をもち、蓄積されてきた技術は現在の職人たちにも脈々と受け継がれている。 「よくしなる軽いフレームに優れた耐久性など、丁寧な仕事ぶりが見て取れます。低価格の海外製フレームも最近ではだいぶ良くなってきましたが、やはり品質の良さがちがいます」と、「西村時計店」では商品の7〜8割を鯖江から仕入れている。




小規模事業者持続化補助金を申請しようと思われたきっかけは?

高齢化が進み、常連のお客さまから「眼鏡を作りたいけど、お店に行けなくなった」と言われるようになりました。「巡回してきた他の眼鏡屋さんはとても高かった」という声もあって、新しいことを始めなければいけないと考えていた時に、ちょうど指導員さんに補助金があることを教えてもらいました。お店で待っているだけではダメだと思っていたので、ちょうど良いタイミングでしたね。
若い人がネットで買い物をするようになる中、新しい設備を入れる勇気はなかなか持てません。
アイデアだけが先行していたので、補助金の話は本当に助かりました。

小規模事業者持続化補助金の計画内容

眼鏡の訪問販売サービスを行うための、コンパクトな測定用機材(ハンドヘルド・レフラクトメーター)を購入しました。
地域住民の高齢化により、訪問・巡回の需要は大きく、今後も拡大する一方と考えています。
これまでも補聴器の訪問販売はしていましたし、眼鏡でも特別に要望があれば、店舗にある据え置き型の機材を持って行ったりしていました。
しかし、据え置き型の機材は大きいため置く場所を選び、気軽に持ち歩くことができませんでした。
それに据え置き型は、検査の際に人が機材の高さに合わせる必要があります。
腰が曲がっていたり、寝たきりで起き上がれなかったりすると測定が難しく、そのようなお客さまへの販売機会を逃していました。
新しく購入したハンドヘルド・レフラクトメーターは片手で持てるコンパクトさで、お客さまの姿勢・目の高さに機材を合わせることができます。
視力や目の屈折具合などの事前測定がこれ1台で可能となるため、今後は個人宅や入所施設などに積極的に足を運び、こちらからこまめにアプローチしようと考えています。

小規模事業者持続化補助金の活用により期待できる効果

当店に来られなくなったお客さまのご自宅や入所施設を訪問することで、これまでと同じように当店にて眼鏡をお買い求めいただけるようになります。
さらにご自宅への訪問は、ほかの家族の方々に当社の技術を知っていただく良い機会でもあります。
常連さんのご家族にも当社を知ってもらい、来店していただけるよう働きかけていこうと思います。
また訪問販売のニーズは高いことから、「家まで来てもらえる」ということが広がれば、常連さん以外の潜在的な顧客の掘り起こしにもつながると考えています。
今後は補聴器のための訪問などでも、常にこの機材を持ち運ぼうと思っています。そうすれば、眼鏡の話になったときにいつでも検査してもらうことができますから。
お店で待つだけでなく、販売機会を自分で創り出せるというのが、最大のメリットですね。

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地域に根付いた、眼鏡・補聴器の専門店
眼鏡や補聴器は、買って終わりという商品ではありません。使っていく中で変形したり、体型や体調が変化したりと、さまざまな要因による調整が必要となってきます。
「近くに眼科がないから」と通ってくださるお客さまもいらっしゃいます。
地元商店街に根ざした当店にて、検査からアフターケアまですべてを安心してお任せいただけるのが、当店の一番の強みです。
創業90年の実績と信頼を、これからも守り続けたいと思います。

長年のお客さまを大切に、お客さまに合わせたサービスを!
今回の「出張訪問サービス」で、地域の皆さまの「家まで来てもらえないだろうか」「お店にいくのが難しいからどうにかならないか」という声に応えることができて、本当に良かったと思っています。
これまでに培ってきた知識と技術をフルに活かして、一人でも多くの地域の皆さまの「視えて、聴こえて楽しい生活」を支えられる存在になりたいと考えています。