技術だけじゃないプロ意識! お客様の安心・納得を引き出す整備工場

山本自動車
福岡県久留米市大橋町合楽891-1
■代表者: 山本 高広
■創業: 令和1年8月1日
 
■TEL: 0942-65-9621

技術と経験を蓄積し、自身で創業

代表の山本さんはこれまで15年間、自動車関連の会社に勤務し、自動車整備・販売・保険・リースなど、自動車全般に関する知識を培ってきた。山本さんの父も同様の会社を経営しているが、山本さんは修行のため最初の7年間を外の会社で勤務し、その後8年間、父の会社で経験を積んだ。
父の会社では整備主任者として整備振興会の技術講習や法令講習にも積極的に参加し、新しい技術の取得に努めた。また、経営にも関心を持ち、父に自分の意見をぶつけることも。親子ゆえ時に対立することもあったが、自身が志す道ですでに成功している父からは、学ぶことも多かった。2代目として後を継ぐ選択肢もあったが、山本さんはあえて自分自身で創業する道を選んだ。

ハイブリッド車にも対応!オールマイティな整備工場

長年、整備技術や知識の取得に努めてきた山本さんだけに、「山本自動車」では車種を選ばず、国産車・外車・トラックすべての整備を引き受けている。特にハイブリッド車に関しては、自動車整備士の高齢化が進み、対応できない整備工場も多い。しかし、山本さんは専門書でハイブリッド車の仕組みを学び、自身の技術力のアップデートに努めている。専門書で得た知識をもとに、実際の車両を触って確認。専門書と車両では異なる点がいくつもあり、書籍だけで十分な知識を得ることはできないと言う。
自動車業界における技術革新は日進月歩で進んでいる。ハイブリッド車には高電圧の危険が伴うが、最新技術に対応するため、こうした努力は欠かせない。




創業支援について教えて下さい

家業を継ぐべきか、創業するべきか…。悩みましたが、2年間の準備期間を経て独立することにしました。もともと商工会には入っておらず、事業計画なども自分なりに作っていました。準備期間中にある程度のお金を貯めて、開業資金の足りない分は金融機関から借りようと。自分なりにちゃんと計画を立てていたつもりでした。
開業予定日は、令和元年の8月1日。それなのに、なんと7月20日になって、金融機関から融資を断られました。あのときのショックは忘れられません。あまりにショックで、3日間は眠れませんでした。今考えてみると自分でもバカだなと思いますが、すでに設備一式を発注してしまった後だったんです。融資が通らないなんて考えてもみなかった。もう終わりだと思いましたね。正直、夜逃げも頭をよぎりました。開業もまだなのに(笑)。
もうダメだと諦めかけていた時に、妻から「商工会さんに相談したら?」と言われて、そこで初めて商工会に行きました。創業予定日の前日です。経営指導員さんに一緒に事業計画を練り直してもらって、借入額を当初の半分にまで抑えました。最初の借り入れの希望額が高すぎたんですね。自分にとって、工具やリフトなどの設備はあって当たり前のもの。設備がないと整備はできないと思っていました。しかし、設備は後から徐々に揃えていくものだと…。固定費のことなども、もっときちんと考えないといけないと痛感しました。
今では、最初の融資が通らなくて本当に良かったと思っています。もし、最初の金額を借りられていたら、すでに倒産しているでしょうね。独立を計画している後輩たちにも、最初の創業計画の大切さを伝えて行きたいと思っています。

次なる構想は、オーダーメイドの福祉車両

今年でようやく、工具や設備に関する投資が終わりました。設備が揃ったことで陸運局の認定を受けて、「認証工場」にもなれた。ようやく一段落ついた気がします。今までが種まき期間、これからは収穫に向けてさらに頑張っていきたいですね。
今、考えているのが、福祉車両の整備と販売です。福祉車両は、外側の車両部分と、中の設備部分を別々の会社が手掛けることが多いんです。そのうえ車両自体の需要が少ないため、販売価格がどうしても割高になってしまう。うちなら車両と設備を両方とも手掛けられるので、設備に見合った価格で販売できるのではと思っています。
また、福祉車両は統一規格で量産することができません。車椅子は一人ひとりサイズが違いますし、ここに取手があったら、ここに手すりがあったら…と、求められる設備もそれぞれです。なので、そういう細かいニーズにきちんと対応した福祉車両の整備・販売ができたら良いなと思っています。

お客様に説明を尽くす。それがプロの仕事

自家用車を整備や車検に出すとき、ほとんどの人がその費用について不安に思うのではないだろうか。部品や修理の価格はもちろん、修理の内容など、どれも素人には分からないものばかり。実際、山本さんも「勝手に修理された」「車検に出したら、いきなり追加費用を請求された」という経験談を聞いたことがある。そこで「山本自動車」では必ず、整備をする前にお客様に費用を提示する。修理にかかる費用と、修理をしなかった時のリスク。「そのリスクをきちんと説明するのがプロの仕事」と、山本さんは言う。もちろん、不当に高い金額を請求する気は毛頭ない。しかし、お客様が整備費用を高いと感じた時、きちんとその内容を説明できるか。最後に選択をするのはお客様だが、お客様が最良の判断をできるように説明する。それがプロの責任だと山本さんは考えている。
車両の販売でも、お客様から車種や予算を聞いて、プロ専門のオークションから条件に見合った車を選定する。落札後は、予防整備、車両ボディ状態を納得できるものに仕上げて納車する。
価格を明確にして、安心して任せられる店にしたい。そんな山本さんの誠実な姿勢と、生来の気さくな性格に、独立前から続く顧客も多い。技術力があり、価格も安心、そして丁寧に説明してくれる自動車整備工場とくれば、今後益々お客様が増えていくことも想像に難くない。

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