近所の方々をトリコにする、お団子とコーヒーのカフェ
- B-yond(ビヨンド)
- 久留米市田主丸町田主丸455-30
- ■代表者: 古賀 未紗
- ■創業: 2022年12月6日
- ■TEL: 080-6404-3270
事業内容
コーヒーとお団子のテイクアウト専門店。コーヒーはハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れ、アメリカンコーヒーやカフェラテ、紅茶なども用意。スイーツはお団子のほか、大福アイスクリームも人気。今後はメニューを拡充していく予定。
About us 会社概要
コーヒーを手にみんなが集うカフェをつくりたい
田主丸町役場からほど近い住宅街で、鉄製の河童の像を見かけたらそれが目印。すぐ目の前に古民家を改築した真っ白い外観が印象的な、コーヒーとお団子のテイクアウト専門のカフェ「B-yond(ビヨンド)」があります。コーヒーのことは全くわからず飲めもしなかったという古賀未紗さんが、コーヒーの魅力にとりつかれたのは前職がきっかけでした。
世界中にチェーン展開する有名コーヒーショップに入社し、毎朝日替わりでドリップされるコーヒーを一口だけ飲むように習慣づけた古賀さん。だんだん味わいの違いがわかるようになり、産地に興味を持ち、「コーヒーを通じて自分で何かしたい、コーヒーを媒介に人と人のつながりを生みたい」と考えるようになったそうです。イメージしたのはコーヒーの木の下に、みんなが集まって輪になっているところ。それが、「カフェ」という実として結実したのです。
「好きなことを仕事にできる」と自分を励まして
前職での経験が長くなり、自分で設けた目標を達成し、やりたいところまでやりきった、と感じた古賀さん。25歳になる頃、自然と「独立する」という大きな決断に至ります。とはいえ、「自分一人でやっていけるんだろうか」という大きな不安を抱え、毎日泣いていたと言います。勇気を振り絞って前に進むことができたのは、両親や姉など、家族からの温かな支えがありました。当時、姉からかけられた言葉は、お守りのように古賀さんの心に響いたそうです。「好きなことを仕事にするんでしょう?それができる人は、なかなかいない。自分が楽しくないとお客様を楽しませられないよ」。
奮起した古賀さんは、店舗のコンセプトや商品構成を考えだしました。看板メニューはお団子とコーヒー。和菓子とコーヒーを組み合わせたカフェは珍しく、たくさんのお客様に興味を持って迎えられるのではと考えたのです。また、和菓子はお菓子作りが得意な母の思い出の味でもありました。コーヒーはハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れ、アメリカンコーヒーやカフェラテ、紅茶なども用意した「B-yond(ビヨンド)」の“はじまりの形”ができあがりました。
Founding 創業計画
田主丸町商工会に相談したきっかけ
2022年の夏頃、先に両親が相談しに行き、その後に自ら問い合わせて、創業の個別相談会・特定創業支援の講座を受講しました。また、その頃から融資を受けるべく計画書づくりがスタートしました。
開業にあたって考えたコンセプト
いろいろなお客様が集まって、お客様同士がコーヒーを通じてつながりが生まれるような店、親しみやすく町に愛される店にしたいという想いがありました。店舗名は「今まで自分が経験してきたことを超える」「来店してくれたお客様の期待を超える」という意味を込めて、「B-yond(ビヨンド)」に決めました。
開業までで大変だったこと
店舗デザインは、図面上から想像するしかないので、機械を置く場所や動線、外観や内装のデザインなどイメージしづらく大変でした。一度設置するとなかなか動かせなくなるし、動線も変わってしまうので、「ここに機械を置いても大丈夫かな」と悩みました。
商工会のサポートを受けてよかったこと
創業塾に通わせていただいたのは大きな経験になりました。また、中小企業診断士の先生に「創業とは」をイチから教えてもらい、夢を実現するために必要なこと、何のために創業するのか考える機会にもなりました。何より、商工会の担当者や先生に不安に思うことも聞いてもらい、気持ちが軽くなりました。つらい時期を支えてもらったと思っています。
Future その後の展開と未来への展望
SNS映えする河童が“看板娘”
古民家の一部を改装し、パッと目を引く白を基調とした店舗デザインは、木のぬくもりと温かみが感じられます。古民家×洋風の店舗、インテリアのライトには和紙のシェードを使いつつ、店内自体はスタイリッシュなデザイン…と、和と洋の絶妙な組み合わせが、「お団子とコーヒー」のイメージそのものです。
エスプレッソマシンを対面カウンターのすぐ横に置いたのは、お客様と会話しながら作業ができるということと、ハンドドリップする時も、マシンでエスプレッソを抽出する時も、1つのパフォーマンスのようにお客様に見せながら淹れられるから。また、看板娘のような河童の像は近くの原田鉄工所にオーダーしたところ、今では「SNSで見かけた」と、河童を見に来るお客様までいるそうです。
地域の方々に愛される店へ
もともとはターゲットとして周辺の企業で働く会社員や、県外から遊びに来る20代の女性の方々を想定していましたが、ふたを開けてみれば老若男女問わず、思ったよりも幅広い年齢層のお客様、そして近所の方々が来店しています。小学生たちが遊んでいる合間にお団子を買っていったり、高校生が学校帰りや部活前に立ち寄ってくれたり。お出かけ帰りの近所のおじいちゃん・おばあちゃんもふらりと寄ってくれるそうです。
そして、「ドリンクよりもお団子のほうが売れているのも想定外だった」と古賀さんは話します。「ちょっとした手土産に活用してくださっているみたいです。また、SNSで発信したところ、お団子に次ぐヒット商品・大福アイスクリームも生まれました」。
最近はイベント出店も声をかけられるようになり、「B-yond(ビヨンド)」のファンを広げています。今後はイベント限定でつくったコーヒーゼリーやモナカのフロランタンなど、お菓子の種類を増やし、イートインができるようにスペースを拡大していく予定だとか。「地域に馴染んで、気軽に来てもらえるような場所でありたい」と話す古賀さんの、朗らかさと人柄に惹かれて、今日も近所の方々、ドライブついでに立ち寄った方々が、コーヒーの香る店先に集まってきています。