格別なコーヒーと地元食材のピザで、地域の憩いの場に
- 23 COFFEE
- 久留米市田主丸町中尾1391-1
- ■代表者: 山川 圭介
- ■創業: 2021年5月15日
About us 会社概要
見晴らしの良いロケーションで中学からの夢を叶える
耳納連山を南に臨み、田主丸町の観光農園にも近く、北側は「ななつ星」をはじめ、JR九州の観光列車が通るところを間近に見られる絶好のロケーション。この場所に、2021年6月からカフェ「23COFFEE」を構えるのは、山川圭介さんです。「いつかカフェをしたい」。中学生からの夢を叶えたい一心で会社員時代に貯金し、実家の目の前にカフェを経営するのにぴったりの土地を購入。ローンを返済し、朝倉市にある有名レストランで修業を重ねました。
当時の仕事は、開店前に旬の野菜を仕入れ、その日のメニューを考えること。厨房を任されていた山川さんは、ホールや厨房の回し方、対面接客のスキルなどがこの時期に身に付いた、と話します。「他に、このレストランでは観光農園も経営していて。それがきっかけで、農作物を育てながら、採れた野菜を店で出す『農家カフェ』に興味がわいたのです」。
実家がフルーツを生産していることもあり、「将来的には観光農園にも事業拡大を図りたい」と山川さん。夢は次第に膨らみ、レストランで7年働いて退職した後、いよいよ開業の準備にとりかかります。
相談後に頓挫、そして再び動き出した計画
開業にあたり、「何から始めればいいか、わからなくて田主丸町商工会に相談した」と、山川さん。初めて相談した時は新型コロナウイルスがニュースになる前でしたが、あれよあれよという間に状況が大きく変わっていきます。「本当は2020年での開店を予定していたんです。テイクアウトスタイルの店にする、というのは決めていたので躊躇はありませんでしたが…やはり流行しだしたタイミングでの開店にならなくてよかったと今は思います」。
また、席数の多いプランもありましたが、規模を1/4程度に縮小。コーヒーの他に、地元の農産物を使うスムージーやピザを提供すること、シーズンには名産の柿とクリームソース、チーズを使ったピザは必ずつくることを決めました。最初に田主丸町商工会を訪れた時から半年をおいて、再び相談。創業計画書をつくりはじめ、店舗の設置・工事、ロゴや看板などの製作を進めてきました。
Founding 創業計画
●田主丸町商工会に相談して思い出深かったこと
中小企業診断士の方にローンの組み方、数値計画、経営管理などいろいろと教えていただいたことです。全体の予算感、自分がいくらのローンを組めるのか、融資の受け方などわからないことを全部聞くことができました。また、同じ敷地内で妻が経営する美容室と同時オープンだったため、融資が通常より複雑だったそうで、田主丸町商工会にサポートしていただいて助かりました。
●開業までで大変だったこと
店舗の打合せです。「コンテナで店をしたい」と考えていて、探したら飯塚市にあって。センスの良いデザイナーさんも紹介していただき、店舗のデザインや内装について、打合せで何度も現地を訪れました。大変でしたが…ワクワクしていました。
●メニューについて
先輩や後輩、友人の農園から仕入れた食材を使ったメニュー構成にしています。太秋柿や巨峰、クイーンニーナ(ブドウの品種)、シャインマスカット、かおり野(イチゴ)のスムージーなどです。ピザは直径50cmと大き目サイズで、カットとホールを販売。季節やその時々の食材でメニューが変わります。クリスマスには10ホールほどつくりました。
●今後の展開
やはり規模を大きく、せめて2倍にしたいですね。そのためには、天気に左右される現状を変化させることが必要です。今は雨の日、暑い日、寒い日と悪条件に弱くて…同じコンテナを増やしてテーブル席をつくりたいと考えています。また、地域のイベントにも出店予定です。
Future その後の展開と未来への展望
お客様によって、楽しみ方はさまざま
オープンしてからは、老若男女、さまざまな年代のお客様が来店している「23COFFEE」。小学生がピザを買いに来てくれたり、年配のご夫婦が定期的に通ってくれたり。「あまり年齢の偏りがなく、目的も『店内で食べたい』『コーヒーを飲みたい』『ピザを持ち帰りたい』『コーヒー以外のドリンクが飲みたい』など、それぞれ違っていると感じます」と山川さん。隣にある奥様の美容室に来られたお客様にもドリンクを出していて、そのお客様がスタイルチェンジした後に、カフェに立ち寄ることもあるのだとか。
気軽に来て、ゆっくりおしゃべりを
1年が経ち、今、山川さんが思うのは、「この場所が誰でも気軽に来られる、地域の憩いの場になったら」という願いです。観光客も来店しますが、近所の方々がふらっと来てくれることが嬉しい、と言います。「あとは、僕としゃべってほしいです(笑)。お客様の中にはゆっくりしたい方も当然いらっしゃるので、そこはもちろん、様子を見ますが」。
「23COFFEE」は、ふと行って、コンテナ屋上から景色を眺めてぼーっとしたり、観光列車が通るのを眺めてワクワクしたり、友達や仲間とおいしいコーヒーを片手に話し込んだり。そこに“店主・山川さんとのおしゃべり”がスパイスになって、行くとくつろげて、帰るころには元気になる、そんな場所になるのかもしれません