建築施工に外構工事、看板製作まで…“なんでも相談できる”信頼で事業拡大へ
- キューテック
- 久留米市梅満町925-1
- ■代表者: 久間 達也
- ■創業: 2022年1月1日
事業内容
2022年1月に建築資材の販売・施工会社として「キューテック」を創業。自分の目で見て「確か」と思える資材のみを取り扱い、エクステリア工事や看板工事、安全施設用品の販売・工事も手掛ける。ないものはつくり、“どんなことでも頼める信頼性”で事業拡大を目指す。
About us 会社概要
自分の目で見て信頼のおける商品を扱う
「キューテック」の久間達也さんが手掛けた仕事は、街中のあちらこちらにあります。神社のエクステリア(外構)に、企業やクリニック、飲食店の“顔”となる看板、建物のロゴサイン…主業務となる建築資材の販売・施工だけでなく、エクステリア工事や看板工事など仕事の範囲は幅広く、「内装や外壁の施工会社といった他社ができない仕事を担っています」と久間さんは話します。
建築業界に携わり30年以上。扱う資材は数えきれないほど多くありますが、実際に自分の目で見て信頼のおける商品でないと扱わないのだと言います。確かに、Webで販売されている安い資材もあります。しかし、仕上がりやクオリティにも責任を持つからこそ、久間さん自身の目と経験で材料を選ぶことは欠かせません。
資金繰りがきっかけで商工会へ相談
久間さんは今回の独立・開業に際して「雇われていた方が心理的には楽だと思いますが…」と前置きしたうえで、こう話します。「長く仕事を続けていると、自分での差配で案件を進めることが多くありました。起業して自らが主導して事業を進める、そんな挑戦をしてみたいと思ったのです。ただ一つ、気になっていたのは資金面でした」。
一つの案件が終わって請求書を出し、入金されるのは早くて2カ月後。中には半年後に入金されるところもあります。建築資材を扱うとなると、起業時に当座の間の運転資金が必要でした。久間さんは田主丸町商工会の伴走型支援を受け創業計画書を申請、補助金が下りて2022年1月に、無事創業に至りました。
Founding 創業計画
●田主丸町の伴走型支援を受けたきっかけ
以前、30人ほどの規模の創業関係のセミナーを受けたことがありましたが、創業したいタイミングでは受けられないことがわかり、田主丸町商工会の伴走型支援をお願いしました。
●支援を受けて良かったこと
中小企業診断士の先生とマンツーマンで資金面のやりくりを相談でき、金利の若干低い久留米市の制度資金を受けることができました。また、金融公庫からの融資も受けられ、当初予定していた資金を賄うことができました。
●運転資金の活用
創業当初はまだ信用と保証がないため、どの仕入れに関しても現金取引でした。当座の1000万円はすぐになくなったので、融資を受けられて本当に良かったと感じています。また、社用車として軽自動車を購入したり、事務所を契約したり、備品を購入したりと、体制を整えることにも資金を活用しました。
●創業計画書の作成で自身の変化
今までは会社員として過ごしていましたが、今後は責任者としての管理業務も必要になります。資金繰り関係の計画を立てることは大変勉強になりました。
Future その後の展開と未来への展望
状況が変わっても、以前のクオリティを担保する
大海原に乗り出した久間さんの事業は今、以前から取引のあったお客様と、変わらない信頼関係を結びつつ、順調に航海を続けています。創業に際し、心に決めていたことをお尋ねすると「これまでの仕事を、引き続き創業後も同じクオリティで行うことは当たり前だと思っています」と返ってきました。というのも「個人で創業すると、事業規模や信用の面で建築資材を卸してもらえない会社が1社だけあったのです」と久間さん。
引き続きお客様がついていてくださるからこそ、お客様に求められたことには応える。扱えなくなった資材があればどうにか仕入れるルートを探す。仕入れ額が以前より上がったとしても、お客様には以前のままでお伝えする…そうやってお客様を第一に思い、価格もスピードも対応していくことが重要だと話します。
お客様の納得と満足を引き出し、事業拡大へ
この仕事の難しさは、お客様が満足する商品・仕上がりを納品できるか、ということ。何度イメージデザインや写真を見たところで、実際に建物が建つと「違う」と感じる人もいます。「どんな仕事でも、お客様自身が納得して『頼んでよかった』と思っていただくのが一番です」と久間さん。そのためには、お客様に丁寧にヒアリングし、事業形態をふまえ、周囲に与えるイメージを鑑みながらデザインし、細かく調整をして進めています。30年以上ものキャリアで培った経験と商品知識、そして仕上がりに対する責任感が、そのまま他社との差別化・優位性に繋がっています。
これからは、事業拡大も視野に入っていると久間さんは話します。近く、建設業の許可も取得できれば、規模の大きな案件も引き受けることができるようになり、年間300件の受注をさらに増やせるのです。「許可が下りてからは、もうちょっと攻めの事業展開を考えています」と久間さん。目指すは年商1億円。「この仕事が好きだから、ここまで来られた」と語る言葉の向こうに、たくさんのお客様の笑顔が見えるようでした。