地道に コツコツ 一生懸命。身も心も温まるうどん店

久万や(クマヤ)
久留米市田主丸町田主丸395−17 谷口ビル 1F
■代表者: 大熊 喜通
■創業: 2023年10月17日
 

事業内容

国道210号沿いの讃岐系うどん店。いりこ出汁の優しいスープと相性のよい、揚げたての天ぷらが人気。お惣菜の小鉢無料サービスも嬉しい心遣いだ。店名には名字の「くま」と〝久しくお客さんに来てもらえる店に〟との思いを込めた。全24席。営業時間は平日7:00~15:00、土曜日10:00~15:00。日曜定休日。

About us 会社概要

「茹でたて」「揚げたて」を食べてほしい
「久万や」は、福岡では珍しい讃岐系のうどん店。「四国のコシのある、モチモチした麺が好きだった」というオーナーの大熊さんは、その歯応えのある麺を、茹でたての状態で食べてもらうことに情熱を注ぎます。お昼時など来店客を待たせないように麺を茹で置きしている店もありますが、大熊さんは「讃岐うどんだからこそ、その食感が際立つ茹で立てにこだわりたいんです」と穏やかに微笑みます。注文を受けてから麺を茹で始めるため、どうしても時間がかかりますが「できる限り早く出せるよう、オペレーション面でいろいろ工夫しています」。
天ぷらも常連客を中心に高い支持を得ています。かけうどんと、別皿で出してくれる揚げたてサクサクの天ぷらを個別に注文するのがおススメ。なかでも人気の「紅しょうが天」は、紅しょうがと玉ねぎをかき揚げ風にして揚げた「久万や」のオリジナル商品。さつまいも、カボチャなど厚切りの野菜天ぷらも好評です。
製麺は大熊さんが一人で担当するため、省力化のため本場・香川の老舗製麺機メーカーの手打ち式製麺機を導入しています。製麺機は生地の練り工程から仕上げ延ばし、包丁の引き切りまで忠実な手打ち技術を再現してくれますが、厳選小麦粉と水を使った生地づくりは大熊さんの仕事。その日の気温や湿度によって水の量を調整し、特に寒い時期になると生地の熟成まで6時間以上かかります。そのため開店時間の午前7時に間に合うよう、就寝前に生地作りをするのが日課になっています。

息子たちとの時間をつくるため独立
独立前は15年ほど介護の仕事をしてきた大熊さん。転機は当時小学1年生だった長男が野球を始めたことでした。練習や試合への送迎が必要となり奥様も教員として働いていたため、自分がその役割を担おうと独立を決意。以前から興味を持っていたうどん店を開き、夕方には帰宅できるよう午後3時まで営業することにしました。
3年ほど複数のうどんチェーン店で働きながら麺づくりを覚え、天ぷらを揚げ、店のオペレーションを学びました。並行して自宅近辺で空き物件を探し始め、2023年春に居抜き物件だった現店舗を契約。改装など準備期間を経て10月にオープンしました。




Founding 創業計画

・田主丸町商工会への相談のきっかけ
開業にあたって店舗改装、製麺機などの購入が必要だったため、資金調達について市役所に相談したところ、紹介されたのが商工会でした。

・創業までの歩みと創業支援
指導員および中小企業診断士から「経営」「財務」「販路開拓」「人材育成」について指導を受ける4日間のカリキュラムを受講し、特定創業者の認定を受けました。これにより久留米市新規開業資金による融資を受けることができ、製麺機や冷凍冷蔵庫、厨房器具類などを購入し、店舗改装を行うことができました。

Future その後の展開と未来への展望

早朝出勤の苦労を知るがゆえの朝7時開店
開店は午前7時と朝早くから営業する「久万や」。大熊さんは田主丸から福岡市まで通勤していたサラリーマン時代、朝食をとる時間がなく、コンビニでおにぎりなどを買っていました。朝早くから出勤しなければならない人の苦労は身をもって知るだけに「仕事前に温かい食事をとり、一日を頑張ってほしい」という気持ちで、早朝から店を開けているといいます。出勤前の利用だけでなく夜勤明けの看護師、介護士、工場勤務者、警備員、消防士、朝市帰りの市場関係者など、多くの方に重宝されています。
店の情報発信はインスタグラムが中心ですが、もっぱら20代の姪っ子さんにお願いしているとのこと。「こういう情報を出してほしいと頼むとパパッとつくってくれ、仕事が早いんです(笑)。自分でもやり方を覚えないといけないと思い、商工会主催のセミナーも受講したのですがなかなか要領を得なくて…」と頭をかきます。

地域の人から愛される店に
できるだけ安く、おいしいうどんと天ぷらを提供したいという思いで店を始めて1年。「この量と質でこの価格なら満足」と利用者に喜ばれています。「経営的には決して楽ではありませんが、生まれ育った田主丸に少しでも貢献できればという気持ちでやっています」と大熊さん。そのモチベーションになっているのは、お客さんから掛けられる感謝の言葉だといいます。「お客さんの『おいしかった』『ありがとう』『また来るね』という言葉に勝る喜びはありません」。
田主丸にも高齢化の波が押し寄せています。地域の高齢者たちに気軽に立ち寄ってもらえる場所にすることも、店の役割だと考えています。
「独り暮らしの高齢者に気兼ねなく来てほしい。ミニうどんとおにぎり1個でも構わないんです。それを食べて喜んでもらえたら、それでいいと思っています。最近は、高齢者の方が集まって話をする場所もなくなっていると聞きます。だから私は高齢者の方に『混雑しない時間帯に来て、ゆっくりしていって』と伝えています」
早朝の出勤者のために。高齢者のために。すべてのお客さんのために。大熊さんの優しさに包まれた店は、地域になくてはならない存在になっています。