「若い人の居場所をつくりたい」看護師から転身、26歳の孤軍奮闘
- 2nd(セカンド)
- 八女市本町1-255 モリベビル107
- ■代表者: 石住 亮祐
- ■創業: 2024年7月2日
事業内容
八女市の中心街・本町で朝まで営業するカジュアルバー。2時間飲み放題で男性3,000円、女性2,000円と若者の財布にもやさしい価格設定で人気を集める。カラオケやダーツなども楽しめキャパは最大約40名。2次会やパーティなどの利用もできる。営業時間は午後9時から朝6時で年中無休。
About us 会社概要
低価格で朝まで飲めるバー
看護師として総合病院で働いていた石住さんが起業を考えるようになったのは、よく通っていた久留米市のバーでの会話がきっかけでした。
「看護師も大切な仕事ですが、自分で何かをやってみたいという思いがありました。だけど特別なスキルはありません。そんな時に店のオーナーから『バーなら少し経験を積めば店を出せる』と言われたんです。シェーカーを振ってオリジナルカクテルを出すためには知識や技術が必要ですが、一般的なカクテルであればレシピを覚えれば誰にでも出せます。そこで病院を辞め、バーでアルバイトをさせてもらいながら経験を積み、出店場所を探すことにしました」
出店を希望していたのは久留米市内でしたが好立地の物件はすぐに埋まり、空いていたとしても家賃が高い。なかなか契約したいと思える物件は見つかりませんでした。多くの人が集まるエリアほど競合店も多く、新規参入は厳しいという現実もありました。
そんなある日、八女市で知り合った人から「八女には若い子が気軽に入れて、朝まで営業している店が少ない」と聞きました。そこで八女市内の店舗情報を調べるとすぐに空き物件が見つかったことから、八女市で出店することにしました。
地域との共存をはかる
出店にあたって描いた店のコンセプトは、カラオケやダーツも楽しめる若い人向けのカジュアルなバー。高い料金を支払わなくても長い時間滞在できるような店でした。「一回あたりに使ってもらう金額は多くなくても、何度も来てもらえる方が嬉しいです」と石住さん。
ドリンクメニューはカクテルを中心にビール、焼酎など50~60種類。スタッフは石住さん一人であること、お客さんとのコミュニケーションを大切にしたいことから手間のかかるメニューはやめ、代わりに幅広く種類を揃えました。2時間男性3000円、女性2000円の飲み放題プランが人気で、焼酎のキープをすると時間の制限なく利用できます。
「飲み放題であれば女性は1時間あたり1000円ですから相当安いと思いますよ」。つまみはスナック菓子を提供する程度。食事をしながら飲みたいという人には、周辺店舗で買った食べ物であれば持ち込みも認めています。
「どうせならこの地域でお金を落としてほしいですからね。周りの店とWIN-WINの関係になれたらいいと思っています」
Founding 創業計画
・田主丸町商工会への相談のきっかけ
開店に向けて銀行に融資の相談に行ったところ、新規開業資金などの窓口として商工会を紹介されました。低利で融資を受ける条件となっている「創業塾」の受講を申し込もうと別の商工会に電話しましたが直近の日程はすでに満席。そこで自分の都合のつく時間に受講できる田主丸町商工会に連絡しました。
・創業までの歩みと創業に向けた支援
2023年12月から指導員および中小企業診断士から「経営」「財務」「販路開拓」「人材育成」について学び、特定創業者に認定されました。出店場所が八女市になったことから久留米市新規開業資金の優遇措置は受けられず、日本政策金融公庫の創業融資を申請。特定創業者ということで金利の優遇措置を受けることができ、冷蔵庫の購入およびエアコンの修理費に充てました。
Future その後の展開と未来への展望
SNSつながりでの来店も
開店は2024年7月2日。店名の「2nd(セカンド)」には、看護師から転身して2つめの道を歩き始める自身の決意と、「来店してくれる人が2つ目の居場所にしてくれたら」という願いを重ねました。
店の宣伝は主にTikTokやYouTube、インスタグラムなどSNSを活用しています。もともと独立前から友人3人と「zerogravity(ゼログラビティ)」というアカウントで「福岡あるある」ネタなど動画を配信していました。活動3年目でフォロワーは約1万5千人。昼間に編集して開店前に配信しており、そのなかで店の紹介をすることもあります。配信を見てくれている人が店に来てくれることもあり、なかには仙台や北海道からも予約を入れてくれる熱烈なファンも。クチコミ効果もあって西は柳川市、東は旧黒木町からの来店もあり、滑り出しは順調のようです。
将来は久留米市にも出店したい
店は現在、石住さん1人で切り盛りしています。ほぼ休みなく店を開けているため体力的に辛い日もあると言いますが、「自分の好きなことをやっているので毎日が楽しいですよ。精神的には充実しています」と笑顔をみせます。
当初は久留米市内での出店を予定していたこともあり、「この店が落ち着いてスタッフを雇える余裕が出てきたら、久留米でも店を出してみたい」と意欲をみせます。野球やサッカーなど、日本代表の試合を観戦しながらアルコールを楽しめるスポーツバーで楽しい時間を過ごした経験から、ゆくゆくはそんな店が出せたらと夢を描きます。
縁もゆかりもない八女市に出店して半年。徐々にリピーターも増えてきました。「若い人が気軽に来てもらえるように利益率はかなり抑えています。お客さんに喜んでもらい、仲良くなって、新しいお客さんを連れてきてもらう。まずは、そんなサイクルができればいいと思っています」
26歳の若きオーナーが朝まで経営するバー。店内から若者たちの楽しそうな笑い声が聞こえてくるようです。