名物の水炊きとフレンチを看板に10年10店舗を目指す

博多水炊きと焼き鳥ときどきフレンチ ことぷろ博多本店
福岡市中央区大名1-8-34 ARTKs大名5F
■代表者: 小林 亮二
■創業: 2021年11月
 
■TEL: 092-406-2327

事業内容

福岡市中央区大名の「ことぷろ博多本店」では、福岡の郷土料理・博多水炊きと、博多地鶏を使った料理、そしてフレンチの手法を活かした多彩なアラカルトを提供。細部まで行き届いたサービス、笑顔を絶やさない接客でオープン以降多くのお客様の心をつかんでいる。

About us 会社概要

“食のプロが手がける飲食店とは?“
福岡市内、若者でにぎわう繁華街のど真ん中に「博多水炊きと焼き鳥ときどきフレンチことぷろ博多本店」はあります。店内は和モダンでスタイリッシュなインテリア。二段ほど高くなった少人数客用の小上がりと、グループでゆったり過ごせる半個室があり、看板メニューの水炊きや博多地鶏を使った料理、フレンチの手法を活かした多彩なアラカルトが楽しめます。連日幅広い年代のお客様が訪れるこちらの人気店を手がけたのは、長年飲食業界で研鑽を積んできた小林亮二さんです。
父が料理人、母が小料理屋を営んでいたこともあり、中学生の頃から自然と食の道に進むことは心の中で決めていた、と言います。高校を卒業して以降は福岡市内のホテルでキッチンスタッフとして5年間働き、誰もが知る福岡の老舗明太子メーカーに転職。長年にわたり飲食部門に身を置き、料理長として活躍、また食品開発も手がけてきました。その後、福岡市内の水炊きの名店で店長も務めたそうです。まさにそのバッググラウンドは“食のプロ”。観光客に好まれ、冬場は地元の方々も楽しめる水炊きをメインに、ホテルでの経験を活かしてフレンチも提供し、鍋を食べないお客様にも来てもらえる店づくりを考えました。

後を引く味わいで20代も取り込んだ人気店に
水炊きは名店仕込みの深い深い味わいが特長。博多地鶏を水のみで4時間から7時間ほど炊き、旨味を凝縮させ、香味野菜やミンチなどを加えてコク深い味わいをつくりだしています。コラーゲンたっぷりのスープでつくるため、鶏肉はプルプル。このスープの濃厚さとやわらかい鶏の食感、自家製ポン酢のさっぱりした味わいが醸し出すハーモニーは、一口食べると感動し、あとを引くはず。また、田主丸町から取り寄せる馬刺しもおすすめで、「一度ぜひ味わってほしい」と小林さんは話します。
オープンしてみるとやはり、水炊きが食べたいお客様もいれば、アラカルトが食べたいお客様もおり、アラカルトのみのお客様は全体の4割にのぼるそうです。また、当初のターゲット層である30代から40代の女性や観光客のほか、想定以上に20代のお客が多く、「若い世代がよく訪れる繁華街に店を構えた立地のおかげかも」と小林さんは話します。コロナ禍を乗り越え、オープンして1年が経った今、毎月右肩上がりで売り上げが増えているとか。目標は「お客様満足度100%、10年で10店舗の展開」。2024年にはラーメン店、軌道に乗れば「ことぷろ博多本店」と同じ水炊き店を、さらに出店する構想を練っています。




Founding 創業計画

店名の由来について
ギリシャ語でニワトリという意味。鶏がメインなので「ニワトリ」という単語を店名に入れたかったのですが、そのままだと居酒屋のようなのでギリシャ語の単語を選び、女性でも気楽に入れるよう優しいイメージで平仮名の「ことぷろ」にしてました。

開業までの準備期間と立地について
半年ほどです。商工会に相談に行き、本腰を入れて物件を探し始めました。場所は天神か中州、博多駅近辺だと考えていましたが、ここはタイミングよく空いていて、インテリアもそのまま活用できそうでしたし、居抜き料も安く抑えられました。

オープンまで一番大変だったことは?
資金繰りです。これまで会社に所属していた時と違い、オープンにまつわるやり取りはほぼ1人でしていたので、物件決めから、内装、仕入れ、採用まで本当に苦労しました。また、オープン直前に設備の不備で漏水してしまい、店内を補修しなければならなかったのも大変でした。

今後の課題 飲食店専門のフリーペーパーなどさまざまなところに出広していますが、まだ満足のいく認知度に到達していません。今後もターゲット層への発信、そしてインバウンドの獲得が課題です。

Future その後の展開と未来への展望

シェフとして、経営者として挑戦が始まる
オープンにあたっては、これまでの経験を活かして理念とクレドを定めました。「多店舗展開を考えるなら、従業員に想いをきちんと伝えなければならないため、共通認識としてつくりました」と小林さん。クレドには「できない理由を言わない」や「JOY」、「エンターテインメント精神」といった、小林さんならではの言葉が並びます。「できると思って『どうしたらいいか』を考えたほうが絶対に良いですし、ニコニコしながら仕事をするのが好きなので、従業員と自分たちが楽しくやれたらお客様にもその雰囲気が伝わると思ったんです」。
この「JOY」や「エンターテインメント精神」は店づくりにも生かされており、スモークをかけた一皿や、客席でチーズを削りテーブルで完成形になる料理など、ライブ感を大事にお客様が楽しめるメニューを盛り込んでいます。

福岡に限らず、日本に限らず、常連が集まる店を
福岡市は飲食店の群雄割拠。小林さんより少し上の世代が先導して飲食業界を盛り上げ、その下の年代が続いている構図です。実は小林さんの世代で目覚ましい活躍を見せる経営者はまだ少ないそうで、「近くの飲食店の仲間と一緒に盛り上げていこうと話しています」。そのためにも、情報交換は欠かせません。経営者が集まるBNIというビジネスグループや守成クラブ、倫理法人会にも参加して経営の勉強をするほか、人脈を広げて営業にもつなげています。
目標の10年10店舗のうち、すでに射程圏内に入っているラーメン店を除けば、目標はあと8年半で9店舗の出店です。業態はしぼらず、時代も変わってくるので時代に合わせた業態で、需要とタイミングが合えば海外も……と小林さんは考えています。また、お客様からのECサイトの要望が多く、補助金を活用してWebサイトをつくっているところです。夢は広がりますが、変わらないのは理念の「食を通じてお客様の笑顔のために」。お客様が笑顔になれる店、料理、接客、サービスをこれからもつきつめます。