アクティブシニアに向けた、新たな遊びの提案 整備のプロが叶える!“軽キャンピングカー”で快適な旅ライフ
- トータルカーサポートO.E.S
- 福岡県久留米市田主丸町野田537
- ■代表者: 小田 寿
- ■創業: 平成20年8月1日
- ■計画承認日: 平成29年3月31日
- ■TEL: 0943-72-2102
時代の波に乗り、ピンチをチャンスに変える!
「O.E.S.」では、車の販売や整備車検のほか、電装系を中心とした車両整備を手がけている。
特長はやはり、高い専門性を求められる電装系。一口に電装系と言っても、バッテリーやライト、スターター、エアコン、カーナビ、オーディオ、ETC、ドライブレコーダーなど、その範囲は極めて広い。
近年ではハイブリッドカーやEVの普及により、電装系部品が複雑化するとともに、CPUによる制御が増加。整備を手がける業者にも、技術や設備面での進化が求められている。しかし高齢化が進む業界で、この進化に対応できる業者は決して多くはない。
そんななかO.E.S.では他社に先駆けコンピューター診断機を導入するなど、設備や技術のアップデートに積極的に取り組んでいる。代表の小田さん曰く「最近の車は、車にパソコンが載っているようなもの。昔のやり方では通用しない」。
業界を取り巻く、目まぐるしい変化をチャンスと捉え、他社との差別化に努めている。
正確な仕事が信頼を呼び、信頼が新たな仕事を呼ぶ
「最後の砦」として、専門性を磨く
電装系整備には専門的な知識や技術が必要となるため、通常の整備工場では対応できないことが多い。そのため整備工場から整備や修理が回ってくることも多く、O.E.S.の専門性の高さを裏付ける。
近年の自動車の発展ぶりはすさまじく、一度身につけた知識や技術がいつまでも通用する世界ではない。小田さんは今でも専門書などを購入し、最新事情を独学で学んでいる。
またコンピューター診断機を導入することで、昔ながらの音や感覚に頼る整備に、コンピューターの正確性をプラス。時代に即した整備を心がけている。
取引先の信頼が、新たな仕事を引き寄せる
納品前の新車にナビを取り付けるなど、ディーラーから依頼される電装系整備は、O.E.S.にとって重要な仕事の一部。しかし業界全体の流れとして、最近では外注せずにディーラーが自社で行う内製化が進んでいる。
ところがO.E.S.では、以前と変わることなくディーラーからの仕事を受注。仕事の正確性や技術力が評価され、ディーラーの担当者から信頼される存在になっている。その結果、他の仕事を紹介してもらったり、転勤などで異動した担当者から新しい異動先まで呼んでもらったり…。
人と人とのつながりや信頼関係が、O.E.S.の仕事を支えている。
経営革新計画を策定してみようと思ったきっかけは?
知り合いの業者さんから、軽キャンピングカーの電装系の修理を頼まれたのがきっかけでした。
軽キャンピングカーを見て、定年退職後の高齢層に需要があるのではないかと考えたんです。軽キャンピングカーなら、退職後の遊びとして使ってもらえるのではないかと…。あくまで遊びなので、気軽に手が出せるような価格やシステムを考えました。
経営革新計画の内容
Q. 新サービスの概要と、その新規性を教えてください。
軽キャンピングカー専門の生産・レンタル・販売事業を計画しています。
福岡圏内で軽キャンピングカーを取り扱っている店は少なく、専門店となるとほとんどありません。
そのためO.E.S.では取引先のメーカーから軽自動車を購入し、自社でキャンピングカーに改造。改造した軽キャンピングカーのレンタル事業を起ちあげるとともに、その販売までを手がけていきたいと考えています。
特長は、2〜3年ほどレンタルで使用した軽キャンピングカーを、中古車として販売するビジネスモデルです。このビジネスモデルでは、レンタルで乗り心地を体験してもらえること、中古車として価格を抑えて販売できることの2つのメリットがあります。
従来の軽キャンピングカーはもともと狭い室内にバッテリーや変圧器、水道のモーターなどを詰め込むため、スペースに余裕がありませんでした。
そこでO.E.S.では、こういった設備をフロア下など車両の空きスペースに設置することで、大人2人が足を伸ばして眠れるスペースを確保しました。
また、軽自動車のバッテリーは容量が少なく、電気系統の調整には特に注意が必要とされます。しかし電装系を専門とする当社では、バッテリーのランクアップやサブバッテリーの搭載、それらの配線の仕方など、いくらでも工夫することが可能です。
バッテリー容量が増えれば、オーディオや照明などの設備を充実させることができます。
独自の技術と経験を活かし、快適空間の実現にこだわる。これがO.E.S.が提案する軽キャンピングカーです。
Q. 将来の展望は?
顧客としては、定年退職した60代以上のご夫婦を想定しています。時間に余裕がある高齢層は旅行に出かける頻度が高く、最近では車中泊も増えています。
大型のキャンピングカーでは運転が難しいところもありますが、軽キャンピングカーなら高齢者の方でも比較的簡単に運転することができます。
アクティブに行動する高齢層は今後ますます増加すると思われるため、こういったサービスや商品へのニーズは高まっていくと考えています。
経営革新計画を策定してみていかがでしたか?
Q. 策定期間中、どんな支援を受けましたか?
専門家の先生との面談では、いろんなことを質問されてメンタル的にも鍛えられましたね。
とはいえ「高齢向けサービスは今から伸びる」など、前向きな意見をたくさんいただいて、自信を持つことができました。
今まで自分で考えていたことを説明していく中で、先生からプラスαのアイデアがもらえたり、また自分の考えで削除すべき点を教えてもらったり…。「何年計画で車を売却した場合の何年後の売り上げ」、「何年計画で必要となる資金」など、具体的な数字を出してもらいました。
資金調達のための事業計画の立て方など、専門的な指導もありがたいですね。
また、軽キャンピングカーのレンタル事業を始めるためには、新たに人を雇用する必要があります。
商工会さんには雇用のための情報がたくさんあり、人を雇うための方法なども教えてもらうことができました。
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たゆまぬ努力が未来を創る!次のステージへとつながる一歩
車両の電装化は急激に進んでおり、それに合わせて知識のアップデートも欠かせません。
構造上のことなどはきちんと理解していないと進まないことも多く、専門書や資料などを購入して自分で勉強しています。そこから得た知識を、実際に車両を触って現場で覚えていく感じ。
時代に合わせて知識を深めていくため、常に努力しています。
災害時に真価を発揮!軽キャンピングカーがシェルターに早変わり
今回、経営革新を取得した軽キャンピングカーでは、価格を安く抑えることを重要視しています。レンタル費用は1日8,000円、中古車として販売する際の価格でも150〜200万円ほどです。
万が一、災害が起きた場合にも使ってもらいたいと思い、できるだけ多くの方に乗ってもらえる価格を目指しました。
大人2人が足を伸ばせるなど、スペースの確保にこだわったのも、災害時を考えたからです。快適空間を実現した軽キャンピングカーで、エコノミー症候群を減らせればと期待しています。