外国人講師による英会話スクール、夢はグローバル展開!
- Misa School
- うきは市浮羽町朝田404-1
- ■代表者: Dinh Thuy Trang(ディン・トゥイ・チャン)
- ■計画承認日: 2021年10月21日
事業内容
代表のディン・トゥイ・チャンさんは国内で通訳者、翻訳者として活躍するかたわら、2019年1月にうきは市に、2020年2月には田主丸町に英会話教室を開業。幼児から大人まで幅広く対応し、ネイティブスピーカーの外国人講師から英会話が学べると好評である。
About us 会社概要
日本への興味がわき、福岡県の企業に就職
ベトナム出身のディン・トゥイ・チャンさんが、日本で働き、独立・開業し、通訳業や翻訳業だけでなく、英会話学校も開校して、さらにベトナムと日本の架け橋になるまで――行動力にあふれ、道を切り拓いてきた、さまざまな出来事がありました。
チャンさんが来日したのは2007年。日本語と日本文化を学ぶために、茨城大学に1年間留学していました。「日本語はひらがなや漢字があるでしょう。表現の仕方も面白しですし、一つの単語がいくつもの意味を持つのも興味深く、もっと勉強したいと思っていました」。来日してからは日本の文化だけでなく、歌やアニメ、漫画など“ジャパニーズカルチャー”も知り、どんどん楽しみが増えていきます。
チャンさんは留学が終了したのち、一度ベトナムに戻ってハノイ大学を卒業。2009年に再来日し、福岡県にある企業で働くことになります。その後、日本で結婚。さらにベトナムに進出する企業の通訳者・翻訳者として採用されたことで「この仕事を続けたい」と強く心に決め、独立を果たしました。
「子どもたちに新しい環境を用意したい」とスクール開校
やがて、子どもに恵まれたチャンさん。すると、むくむくとある想いが沸き上がってきます。「私は外国語習得に熱心な家族の中で育ちました。自分の子どもにも、普段の暮らしと違う新しい環境をつくってあげたいと思ったのです」。祖父はロシア語、中国語、英語、日本語の4カ国語を話し、母はフランス語と英語…。チャンさん自身も3歳から英語を習い始め、外国語専門学校にも通っていました。
だからこそ気になったのが、日本の英語習得環境です。ネイティブスピーカーの外国人講師ではない場合、発音や表現がどうしても違ってきてしまいます。そこで、講師はネイティブスピーカーに絞った英会話教室をつくろうと考えたチャンさんは、商工会などさまざまな機関に相談。融資を受け、うきは市に専用の建物を完成させ「Misa school」を開校したのです。その後、順調に田主丸町にも教室を開く中、人と人との対面が難しい時期がやってきました。この状況を乗り越えるため、チャンさんは田主丸町商工会に相談します。
Management Innovation 経営革新
●田主丸町商工会を知ったきっかけ
「Misa school田主丸校」を開講する時に知り、それから担当者の方にはスクールだけでなく通訳・翻訳業のことでも頻繁に相談しています。保険や融資、補助金、専門家のご紹介など幅広くアドバイスいただいています。
●コロナ禍の影響
生徒さんがスクールに来られないだけでなく、退会が続きました。また、帰国していた講師の先生が、日本に戻ってこられないことも大変でした。
●経営革新計画の補助金で導入するもの
オンラインプログラムRazPlus(ラズプラス)の導入です。RazPlusは英語圏の学校などで取り入れられているオンライン型図書システムで、受講生は3000冊の本が読み放題。リスニング力やリーディング力を高めることができます。
●新プログラム導入後の効果
通塾と同様に受講時間を決め、英会話講師とオンライン上でレッスンを行うことで、対面がかなわないときでも、オンラインレッスンの満足度を高めると予想されます。
Future その後の展開と未来への展望
オンラインと対面の両方で生徒をサポート
2020年のコロナ禍以降、休会・退会された生徒さんは約5割にものぼるなか、オンラインレッスンの充実を図るために導入されたRazPlus。英会話初心者から上級者まで対応できるプログラムは、保護者の方からも好評で、自宅で学習する子どもたちの動画が送られてきたと言います。
「私一人ではどうにもできない状況でしたが、田主丸町商工会の方々にいろいろ相談し、子どもの通う学校の先生にも相談しながら、なんとか乗り越えることができました」とチャンさん。社会状況に合わせてオンラインと対面をうまく活用しながら、スクールはかつての賑わいを取り戻しつつあります。
法人化、そして夢の海外展開へ
今後の夢を尋ねると、いくつも上がってくるのがパワフルなチャンさんならでは。一つは外国人の技能実習生やエンジニアなど、海外の人材の管理団体です。「商談会やビジネスマッチングなどの開催サポートをすることもあり、外国人受入れの依頼がありました。今、田主丸町商工会のご紹介で、管理団体に詳しい専門家につないでいただいています」。
もう一つが、「Misa school」のグローバルな展開です。ベトナム人小・中学生を対象に日本に短期留学する環境を整え、日本の文化や生活を体験する機会を提供したいと考えています。「きっかけはうちの子どもたちなんです。留学したいと言い出して、2023年の3月末にベトナムに留学する予定です」。2月に「Misa school」を法人化し、3月に子どもたちの留学、そしてベトナムに事務所開設――海を飛び越え、子どもたちの好奇心をバックアップするチャンさんの挑戦は続きます。