地元に根付いた営業実績と女性ならではの目線で物件紹介
- フラワー住宅株式会社
- 福岡県久留米市田主丸町鷹取 687-1
- ■代表者: 大野 恵美
- ■創業: 平成8年4月20日(法人化:令和元年1月15日)
- ■補助金採択日: 令和2年8月7日
- ■TEL: 0943-72-1519
地元で培った実績と信頼に定評
「フラワー住宅株式会社」の前身は、昭和45年に久留米市田主丸町に現・会長の小西康義さんが開業した「小西建築設計事務所」。当時は主に一般住宅の建築設計を行なっていたが、同時に土地や建物の不動産に関する相談を受けることも多かった。その後、平成8年に小西さんの娘である現・代表取締役の大野恵美さんが宅地建物取引士の免許を取得したことを機に、土地建物の売買や賃貸、賃貸物件の管理など、不動産業にも事業を拡大し、親しみやすい不動産会社にと「フラワー住宅」の屋号とした。そして、大野さんを中心に女性ならではの視点でのサポート、そして地元で長年培ってきた信頼を武器に、多彩な物件提案が口コミで評判となった。また、不動産業を開業した平成7年当時、田主丸の不動産業者では先駆けとなる自社ホームページも開設し、近隣の顧客だけでなく、関東や関西など遠方の顧客獲得にも力を入れた。
また、令和元年には、大野さんへの事業承継を見据え「フラワー住宅株式会社」として法人成りを行い、より親しみやすい会社へとイメージアップを図った。
地方への移住ニーズに応える
田主丸は、耳納連山の豊かな自然に恵まれ、福岡都市圏からのアクセスも良く、国内外から多くの観光客が訪れる観光地としての人気が高いエリアでもある。また、同社事務所南側では、ダイハツや資生堂といった大手企業の進出により企業の集積が進んでいる。しかし、コロナ禍により観光客は減少し、企業は外国人雇用がストップした。同社も物件案内や契約がスムーズにできず影響を受けたが、その一方で、ホームページを介して移住に関する問い合わせが増え始めた。風光明媚な自然と生活環境が、いいバランスで“同居”する田主丸の良さがその理由の一因であろう。
「以前は定年後のセカンドライフとしてご夫婦で移住を希望される方が多かったのですが、近年は比較的若いファミリー層の移住や、田主丸の環境が良い場所でお店を開きたいとの問い合わせも増えていました。それがコロナ禍によるライフスタイルの変化により、その傾向がより顕著になったように感じます。実際に田主丸にUターン・Iターンをしてきた複数のお客様へ物件のご紹介をさせていただきました」と、大野さん。
コロナ禍で対面での商談ができなかった経験を踏まえ、リモートでもスムーズにコミュニケーションが取れるようにホームページ内の情報を増やし、サイトの全面リニューアルを実施。サイト内には、さらなる移住ニーズの増加を見越して、移住希望者向けの専用ページも新設した。フラワー住宅のホームページをきっかけに、田主丸で新生活を送りたいという人が増えることを期待したい。
補助金の活用について教えてください
自社のホームページを全面リニューアルし、屋外看板を新調しました。ホームページには、需要が増えている移住希望者向けの情報ページを加え、遠方の方にも田主丸に興味を持っていただけるような内容にしています。店舗前と国道脇に設置している屋外看板は、従来の黄色からロゴマークに合わせた華やかなピンクにリニューアルしました。そして、管理・仲介物件前に設置している看板には、連絡先の他、訪れた人がその場でホームページの物件情報にアクセスできるようにQRコードを掲載しています。現地での物件情報をお客様ご自身で取得できるようになり、商談もスムーズに行うことができるようになりました。
あなどれない!効果抜群の屋外看板
インターネットでの訴求に力を入れている弊社ですが、お客様からのアプローチで “意外”に多いのが屋外看板を見たというお電話での問い合わせです。社名と連絡先を掲載した看板は、店舗前と国道脇、そして管理・仲介物件前に設置しています。お問い合わせをされる方は、物件探しで来られた方はもちろんですが、行楽で田主丸を訪れた観光客の方もいらっしゃいます。看板を見て会社名を検索し、ホームページにアクセスしてくださる方も多く、アナログな手段ですが屋外看板の宣伝効果は絶大です。ITとアナログの連動により、多方面からの問い合わせ増に期待をしています。
時代に合わせた不動産を紹介、そして女性の活躍の場を
フラワー住宅では、今後の中長期の展開目標として、女性の一人暮らし、外国人など、ライフスタイルに合わせて間取りや内装を変えたコンセプト型の専用アパートの運営などを考えているそうだ。さらに、今後は、結婚や出産後も女性が活躍できる不動産会社を経営する目標もある。
そして現在、大野さんの元には田主丸内外から新築のための土地を探している人や昔ながらの古民家住宅の購入希望の相談が寄せられる一方で、相続をしたが田主丸に戻ることがないので土地や建物を手放したいとの相談や、代々受け継いできた土地を手放すことができずに管理に苦慮する地元の人々の声も届いている。大野さんは、地域に根付いた事業者だからこその信頼とネットワークを活かし、地域が抱える問題解決の手助けもしていきたいと話す。単なる不動産仲介にとどまらず、個々のライフスタイルに合わせた多種多様の提案ができる不動産会社を目指していく。